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このミッションは、死者を2名リリィの元に連れて行けばクリアできるらしい。
そして、その2名は復活した死者達の中からでもいいらしいが、復活した死者達の中から選ばなければならないとは限定されていなかった。
つまり、死者であれば誰でもいいのだ。
無論、私と杏奈ちゃんでも、その息の根が止まっているのなら、ミッションクリアの条件になりうる。
あの復活した死者達の中から死者を連れていくのは、そう簡単な話ではないのだろう。
復活した死者達の中から死者と生者を選別するのは、きっと難しい。
だからそれならば、明確な死者を作ってしまおうという下北の策略は、あながち間違いではないだろう。
周りの奴らは私達の戦闘を傍観していた。
「なぁ、静かにしてくれないか?」
静かなそんな声が聞こえた。
それは、私達のものでも下北のものでもなかった。
背が高く、TシャツにGパン姿の凛とした青年が、その声の主だった。
その胸元に名前を記す緑色の紙が現れていて、そこには"神木 竜楽祭"と書かれていた。
珍しい名だなと、私は思った。
「ああ? てめぇ、誰に口を聞いてんだ?」
下北はそのギョロリとした目で、神木とやらを見た。
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