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「ええ、そうですね。この大陸は、とても奇妙な双六の世界にもされました。
ただし、それをしたのは慈極ではありません。
ジャバラと名乗った、真っ黒なコートを纏った女性でした。
慈極がこの大陸の生者を滅ぼした後現れたその女性が、これまた不思議な力でこの大陸を双六のような世界に変えたのです」
ジャバラか。
あの得体の知れない女が、やはりこの双六を創っているらしい。
「それで、なんであなたがその双六の最初のマスにいるの?」
私の問いに、始まりの鳥は私の目を見た。
「きっと、今の話をこの大陸に来た方々にさせるのが目的ではないでしょうか?
ジャバラと名乗った女性は、本来私を操って同じことだけ、つまりジャバラの話してほしい内容のみしか喋れなくすることも可能と言っておりましたが、何故かそれはしませんでした。
そうしなくても、ジャバラの話してほしい内容と私の話したい内容は一緒だったのでしょう。
だから、これを言うのはジャバラと慈極の思惑通りのようで不服なのですが、冒険者さんにお願いです。
どうか、この大陸の先に進み、慈極とジャバラを倒し、この大陸に再び平穏をもたらせてください」
始まりの鳥は、そう言って頭を下げた。
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