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「別に、ジャバラとか慈極を倒したいという目的があるわけじゃない。
でもきっと、奴らは私がこの双六を進む上で倒さなければならない障壁になると思う。
だから、私はあなたの願い通り、ジャバラと慈極と戦うことになる可能性が高い。その際に私が負けないように、祈っててよ」
私の発言に、始まりの鳥はとても大きく頷いた。
私は、まるで勇者になったかのような錯覚に陥った。
始まりの鳥は満足そうにその羽を広げ、空に舞い上がった。
「ありがとうございます。
それでは私は、非力ながらも冒険者様に御加護があることを祈っております」
そう言って、始まりの鳥は飛び去った。
始まりの鳥が元々いた場所には、一つの何かが現れていた。
それは、銀色の扉だった。
このミッション、クリアなのだろう。
私はその扉の方に歩いた。
私は思う。
簡単なミッションだった。
こんな簡単なミッションばかりなら、この大陸も楽にクリアできるのに。
そんなことを思いながら私は空を見た。
青空がそこには広がっている。
雲の上のこの場所だから当たり前なのだが、雲一つない快晴の青空だ。
私は不意に塔から下、つまり地の方を向いた。
すると、元々真っ白だったはずの雲が真っ黒に変わり、所々雷を光らせていた。
いつの間にか、地上の天気は酷く悪くなったらしい。
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