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翌朝、何やら激しいノックの音で彼は目を覚ました。
「何だよ……」
言いながらスマートフォンで時間を確認した翔真は、顔面蒼白になった。
「え、七時半? なんで?」
スマートフォンの時刻を何度見ても、それは変わらなかった。
今は午前七時半。普段なら、そろそろ家を出ようかなどと考えている頃だ。
こんな事なら夜ふかしも晩酌もするんじゃなかった。
そんな後悔に思わず頭を抱えたが、そんな事をしている時間すら勿体ないと気付いて寝床を飛び出した。
どれだけ遅くとも、八時前の電車に乗らねばならない。
駅まではどれだけ急いでも十五分はかかる。
「くそっ」
翔真はそう叫び、それから慌てて朝の支度を開始した。
ノックの事は夢かもしれない、と考えない事にした。
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