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「……いてて」
突き飛ばされた時に強打した背中が少し痛んだ。
あの時、突き飛ばされることが分かっていながら、避けることは出来なかった。体が言う事をきいてくれなかったのだ。
しばらくまともな食事をしていないせいか、とも考えたが、すぐにそれを打ち消した。
「つまりは、全部織り込み済みってわけだ」
そう呟いた翔真の体は、ゆっくりと消え始めた。
「なる程、これで終わりか……」
終わらせたくないなぁ。
だが、もうどうにも足掻きようが無いことも理解していた。
翔真は諦めて目を閉じた。
いっそ、目が覚めなければいいのに。
彼は心の中でそう願った。
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