第一章 お言わずの島

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「翌日、その店員は再び警察に電話を掛けた。店のシャッターの前に、漂流していたような右足が置かれていた」  そして、その翌日、今度は店主が右足を見つけた。 「店主が見つけた右足は、カラスが集まって突いていた。誰かが生ごみを捨てたのだと、ゴミ袋を持って近付き、足だと気付いた」  それも、足は腐敗していて、切断されたのではなく、千切れた状態だった。 「その三キロほど離れた海岸では、左足が見つかった」  他に、胴体のみ、頭のみなど、あちこちの部分が千切れて流れ着いていた。ただ、同じ場所に辿り着いたのは、右足だけという事になる。 「頭が見つかった事で、身元が分かった」  歯の治療痕で、身元が判明したようだ。だが、その遺族達は奇妙な事を言った。 「右足が三体、頭蓋骨も三つ、彼等は葬儀が終り、火葬され、埋葬されていると言った……」  墓を確認すると遺骨があった。  それだけで終わっていれば、まだ良かったのだが、四体目の遺体が発見された。それは、政治家の関係者で、溺死であった。そして、前の三体との関係性を調べていたが、何も分かっていなかった。 「現場に行くかな……」
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