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地図や資料はあるが、どうにも分からない部分もある。彼等には共通点がある筈で、それが見えてこない。
「住んでいる場所も遠くはない。きっと、彼等は生前に知り合っていた筈だ……」
俺は元刑事の千葉に声を掛けようとしたが、姿が見えなかった。
「秋鹿、現場に行きたいけど……車を手配してくれる?」
「いいですよ。私が運転してゆきます」
秋鹿が車の準備をしていると、西海がじっと俺を見ていた。
「どうして、秋鹿なのですか?」
「秋鹿は俺の部下だけど、西海は違うでしょう」
仕事の依頼は、部下にするしかないだろう。
「分かりました」
西海は、バイクに乗ると怒ったようにどこかに行ってしまった。
「秋鹿、頼む」
「はい」
秋鹿は。公安の車を手配しようとしたが許可が取れず、仕方なく自分の車での移動を申請していた。俺が車に乗ろうとすると、秋鹿は慌ててチャイルドシートをセットしていた。
「どうぞ」
「どこに在ったの?このチャイルドシートは……」
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