第一章 お言わずの島

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 俺が仕方なくチャイルドシートに座ると、どこから現れたのか、横に周防が座っていた。 「子供の面倒ならば、慣れています」 「俺は、子供ではないよ」  しかし、周防はチャイルドシートをしっかりとセットし直し、更に飲み物も用意してくれた。 「千葉は、桐生さんと先に現場に行っています」  元刑事のコンビは、先に捜査を開始しているらしい。 「分かった、出発していいよ」  秋鹿が車を走らせると、周防は俺に弁当を出した。俺が弁当を食べていると、周防は水を用意し、横に置いた。 「現場まで、四時間ほどかかります」 「分かった」  俺は弁当を食べながら、端末を出して資料を読んでみた。
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