第二章 お言わずの島 ニ

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「え?修って、三田さんの甥っ子か……それで、島を探したいのか……」  俺の言葉に、何か意味を感じたのか、対応していた男性は、奥に行くとドアを開けて外にゆき、事務所から女性がやってきた。 「凄く可愛い子供ね……何か飲む?ここは、ミカンジュースがおいしいよ」  他の女性もやって来ると、俺を抱えて事務所に向かって歩いていた。工場はシャッターを閉め始めていて、作業の終了なのかと思っていたら、中では作業が続いていた。  工場に併設されている事務所に入ると、窓がガタガタを揺れていて、外が暗くなっていた。 「野島山に雲がかかると、雨なのよ……」  俺は椅子に座らずに、荒れてきた海と、吹き付ける風を見ていた。 「どうぞ、あ、そちらの方もどうぞ」  俺と一緒に秋鹿が来ていたが、周防の姿は無かった。窓から車を探してみると、周防は車を運転して、工場の近くに待機していた。  秋鹿は車から持ってきた紙袋を女性に差しだし、皆で食べて欲しいと笑っていた。こういう時、育ちのいい秋鹿は、毒が無く、女性に容易に受け入れられる。
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