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「願は、男達が共有して叶えるものだ……」
だから、家族を守りたいという三田の願いを、自分達は引き継ぐのだと、老人は言った。
「ええと、天使様」
「違います」
神社に天使はいないだろう。
俺が老人に背を向けると、老人は何か分かったかのように、手を打った。
「八咫烏様?」
どうして八咫烏になったのだろうと、着ていた服を見ると、背に羽の刺繍が入っていた。
「岬はあるのですね?でも、俺を行かせる気はない」
俺のようなケースは無かったので、男性は父親に相談したのだろう。
「……時子さん、席を外してください」
「はい」
よく喋る時子であったが、老人の迫力に頷き、部屋を出ていった。
「神喰島は、人を喰う島です。だから、三年に一度、生贄を捧げ酒盛りをして、鎮めてきた。あの島に住まう神は、その礼として、願に手を貸してくれる」
生贄は、最近は山羊や羊、豚などの家畜であったという。しかし、昔は人を生贄にしていた。
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