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画面の映像は、山に登るように撮影されていた。山道には明るい日射しが降り注いでいるが、それは遮るものが無いせいで、太陽の位置から推測すると、早朝のようだ。途中、砂利を踏む音が聞こえ、やや湿った感じがしていた。
だが、画像の砂利は明るい色をしているので表面は乾いている。石の裏面が湿っているとすると、昨晩降った雨なのかもしれない。すると、棚引いていた旗は完全に乾燥していたので、更に早い時間に付けられたという事になる。
「祭りの当日、位置は日本海側、島の全長は一キロといったあたり。無人で、島に車はない。飛んでいた鳥は渡り鳥で、季節は春先、二月から三月。島は無人」
映像から分かる事は少ないが、風習的に違和感がないので、この国には間違いはないだろう。
「祭りか……」
推測した位置で、祭りを検索してみたが、該当するものは無かった。
「地区の祭り、もしくは、秘匿とされている祭りのようなもの……」
この国は、祟るから祀るという風習もある。しかし、この神社はそんな暗さが無かった。山の上に位置する事から見ても、船の関係者が祀っている神社だろう。
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