第十八章 覚醒社会 三

11/14
191人が本棚に入れています
本棚に追加
/523ページ
 忍者は喋ると普通の会社員風で、俺に名刺を差し出してきた。俺が名刺を受け取ると、そこにはペットショップのマークがあり、ペットブリーダーの肩書があった。 「……あの」  もうどこから突っ込んでいいのか分からない。  そして、最後に少年と、巨人の組み合わせが入ってきた。 「俺は川崎で、壬生さんと仕事をする。まだ壬生さんが復帰していないので、暫し、あのブースを借ります」  川崎は凄腕のハッカーで、元は他の組織にいたらしい。だが、その組織の機密情報を持って、公安に保護を申し出ていた。  巨人は馬場という名前で、元は交番勤務であったが、スカウトされて公安に来ていた。 「川崎君、保護対象者なのか?」 「いいえ。俺も元は千葉さんと周防さんと同じ刑事ですよ。特殊犯罪を担当していて、とある組織の機密を知ってしまっただけです」  警察では保護できないので、公安に来たという。 「千葉、周防、桐生さん、港の倉庫」 「はい」  すると、鎌田と犬塚が準備していた。 「ええと?」 「大丈夫、目立たない様に、先に侵入します」  目立たないようにと言うが、今の姿は目立ち過ぎている。
/523ページ

最初のコメントを投稿しよう!