第一章 お言わずの島

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「死体が次々に出てくるのだが、殺されたというわけでもなさそうだ……何が起こっているのか、誰も何も言おうとしない」  死んでいても、死体遺棄になるので、警察が捜査を始めたが何も分からなかった。  だが、事件は拡大してゆき、政治家の関係者なども関わってきた。事件は、早期解決を求められ始めたのだが、しかし、調査に行き詰まったままだった。そこで、公安に協力要請がきた。 「事件が特殊で、公安でも他の部が敬遠している」 「特殊ですか?」  それは、国際問題でも、大量殺戮の可能性がある事件でもないせいだろう。 「そうだな……公安でも、夏目しか対応できそうにもないな……」  どういう特殊なのかと、資料を読んでみると、幽霊や神、祟りなどの記述があり、オカルト的にも特殊であった。 「俺は、オカルト要員ではありません」 「でもな……、これはオカルト的ではあるが、きっと、そういうものではない……と、思いたい」  しかし、偶然が重なり過ぎて、説明が出来なくなっているという。 「夏目。現場に行ってくれ。本村に頼んでいるから、泊まりで行ってもいい」 「確かに、日帰りは無理な距離です」
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