第一章 お言わずの島

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 しかも、宿泊施設がありそうにもない。キャンピングカーをレンタルして行った方がいかもしれない。 「島だから、クルーザーを用意したほうがいいか……」 「陸側からは、西海にフォローさせる。それと、千葉と周防を現場に連れて行っていい」  西海と俺では、家出をしていいた兄弟のように見えるので、田舎ではまずいらしい。ちゃんと保護者が居た方がいいというが、それならば、俺ではなく、他の捜査員に頼んで欲しいものだ。 「夏目、そんなに不安そうな顔をするな……ちゃんと、水着は用意してある!」 「要りません」  じっくりと資料を読もうとしただけで、不安がっていた訳ではない。それに、第九公安部は、遊軍に近いので、他の部署が放棄した仕事が回ってくるのも仕方がない。しかし、本村を巻き込むのはまずい。 「相馬部長。本村は警察ですから、俺と一緒はまずいでしょう。俺が第九公安部のメンバーと行ってきます」 「それが、そうもいかなくて……上からの圧力があってな」
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