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『もう、人生を辞めたい人はここに12時に来てください。リスに人間を食べさせることを始めました。リスは雄なので何故か女しか食べませんが、リスに食べられると胃の中で消化され、骨も残りません。この世に嫌気がさした人、要らない彼女を始末したい人、リスが食べてくれますよ』
えっ、冗談だろう。僕は眉を寄せた。美緒ちゃんも唖然としている。
「リスに人間を食べさせることを始めましたって、やっぱり噂は本当なのかな」
「うん、巨リスは居るんだよ」
「ヤバい。今、12時だ。巨リスが出るよ」
逃げる間もなく巨リスが現れた。かなり大きい。こんなリスが存在しているなんてことがあるのだろうか。巨リスはベンチに座っていた人を口に入れて頬袋に溜めている。食べられている人は涙を流している。この世に未練があるのかな。僕は助けてあげたいが巨リスが怖い。
「美緒ちゃん、逃げないと危ないよ」
「そうだね」
僕は美緒ちゃんの手を引いて公園から離れた。
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