公園の巨リス

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 デートが終わって家に帰る。お母さんが「最近、服装がお洒落になりましたね」と言った。ゴシックロリィタの恰好を始めたのは数カ月前からだ。  僕は自分の部屋に行った。家はマンションで狭い。自分の部屋があって、お父さんとお母さんが一緒に寝てる部屋があるだけだ。あとは小さいリビングとキッチン。それでも東京の一等地だから家賃は高いとお母さんは言う。  自分が買って来た服をクローゼットに仕舞う。そしてベッドに座って考える。美緒ちゃんは巨リスに食べられたいと言っていた。美しいまま時を止めたいんだろう。確かに美緒ちゃんは美人だ。大人びた顔立ちだし、スタイルだって抜群にいい。僕みたいなパッとしない男と付き合ってくれているのが不思議なくらいだ。  巨リスに食べられるのは止めることにしてもらっても月曜日に部活に行ったら美緒ちゃんの彫刻を作ってあげようかな。
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