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日曜日になった。今日も11時に原宿駅前で待ち合わせをした。僕はグレーのフリルが付いたシャツに黒のスキニーを穿く。「行ってきます」と言ってマンションを出た。
原宿駅前は今日も若い子でごった返していた。僕は日差しに目を細めながら美緒ちゃんを待つ。
「浩人くん。今日は早いんだね」
美緒ちゃんが赤いブラウスに赤いスカートで立っていた。このスカートの下には黒いペチコートを穿いているようだ。黒いレースがチラチラ見える。
「ちょっと前だよ。来たの」
「昨日ショッピングをしちゃったから、今日は食べ歩きしない?綿あめとクレープが食べたい」
美緒ちゃんは甘い物をよく食べる。でもスタイルが維持出来てるっていうことは太らない体質なんだろう。
「うん、クレープを買って明治通りに出ようか?竹下通りだとすれ違う人にクリームが付いちゃう。横道にそれて食べるのもいいけど、明治通りの方が広いから安心だろう。綿あめは時間を置いてから食べようか?美緒ちゃんが食べたいのはレインボー綿あめだろう。クレープを持って、あんな大きなものを買ったら手がふさがっちゃうよ。クレープを食べてから、雑貨でも見よう。ポストカードが欲しいって言ってただろう?それから時間を置いて綿あめを食べようよ。時間はたっぷりあるんだろう?お昼も原宿で済ませよう」
僕はそう言って頬をあげてにっこりした。美緒ちゃんも口角をあげる。
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