公園の巨リス

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「お昼はオムライスがいい。友達に勧められているオムライス屋さんが渋谷にあるの」 「じゃあ、クレープを食べてから渋谷に出て、また原宿に戻って来よう」 「うん、あ、あそこの店、人が並んでるよ」  僕は行列が出来ている店で、ブリュレが挟んであるクレープを買った。美緒ちゃんは板チョコが挟んであるどっしりしたクレープだ。食べるのに時間が掛かりそうだが、美緒ちゃんは目をキラキラさせている。生地の上に生クリームも乗っているボリュームのあるものだ。僕はポカンと口を開けてから笑った。  最初、美緒ちゃんはチョコとナッツのクレープを買おうとしたが板チョコ方が最新の商品らしいので、今持っているものを選んだようだ。ナッツと訊くと巨リスを連想してしまう。身震いがした。  僕たちは明治通りに出る。女の人が美緒ちゃんに話し掛けた。 「すみません、テレビ局のものなんですが」  女の人はキレイだ。白い半そでのTシャツを着ていて、その胸のところにはテレビ局の名前がプリントされている。カメラマンらしき人も同じTシャツを着て大きなカメラを肩に乗せている。原宿には珍しくない人たちだ。 「今、原宿のゴシックロリィタ特集をやるために撮影してるんです。よかったらインタビューさせて貰えませんか?」  美緒ちゃんは困ったように笑う。
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