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恨みの力は電子を超えて現実へと干渉する
戸井田くんが中学二年生の時の話である。
彼には近藤くんと言う親友がいた。その近藤くんが登校拒否になってしまった。
原因は昨今よくあるイジメだ。イジメの原因はよく分かっていない、思春期の多感な時期のストレス解消の犠牲になったかもしれないし、近藤くんがゲームオタクで運動神経も悪く内向的な性格であったことが原因かも知れない。
ただ、そのイジメの内容がハード過ぎた。始めは喋り方の物真似や、後ろから消しゴムの欠片を投げるなど軽いものであったのだが、途中から教科書をゴミ箱に捨てたり、机に油性マジックで罵詈雑言を書かれたり、制服をビリビリに破かれたり、バリカンで坊主にするなどとエスカレートの様相を見せるようになった。
近藤くんも担任の永江先生に相談したのだが、自分のクラスでイジメがあったとなれば評価が下がるとして徹底的に無視を続けた。事実上の黙認である。
最終的には教室の隅で袋叩きは当然のこと、自分の小便を自分で飲ませたり、女子の前で裸にして笑いものにするなど、イジメを通り越して傷害事件になるまでになってしまった。
さすがにこれはマズいとして、同じクラスの女子が永江先生に密告ったのだが、永江先生は流石にここまではヤバいし、自分の進退や出世に関わるとして「ふざけ合ってただけだよな?」「遊んでいただけだよな」などと近藤くんを強引に説得し、自分のクラスにイジメはないと言うことにしてしまった。
戸井田くんも自分の親友がここまでイジメられて止めたいとは考えていたのだが、イジメの主導者がクラスのカースト最上位のカップルの佐々木くんと持田さん(両方とも札付きの不良)だったために、少しでも咎めればイジメに巻き込まれると思い、傍観者に徹することしか出来ないのであった。
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