合縁奇縁

14/14
前へ
/14ページ
次へ
「話してくれてありがとうございます。高田さんと会うまで、夢だと思ってたんです。でも会った瞬間、前世の記憶だったと直感で分かりました」 「あの、良かったらまたご飯食べに行きませんか?美味しいもの食べたり、旅行して色んな場所の景色見たり、あの頃出来なかったこと何でも一緒にしたいです、玲香さんと」 「ぜひ…!」 こうして私たちは休みのたび、一緒に出掛けた。 仕事も忙しかったけど彼との約束が原動力にもなったし、楽しみだった。 美術館へ行ったり、映画を観たり、連休には少し足を伸ばして箱根まで温泉旅行へ行ったり。 一緒にお弁当を作って、公園でピクニックもしたしジムにも通った。 私たちはとてもアクティブだった。 プロポーズは登山をしたときだ。 山頂で疲れも飛ぶような絶景を見て、感動で涙を浮かべていると彼もまた感極まって「一緒に見れてよかった」と呟いた。 そして「結婚してください」と言われたのだった。 流石に指輪は用意していなかったけど、そうして半年後に入籍した。 前世を覚えている人はほぼ0%に近いだろうけど、約束を果たせたことが何よりとても嬉しかった。 fin.
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加