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「話してくれてありがとうございます。高田さんと会うまで、夢だと思ってたんです。でも会った瞬間、前世の記憶だったと直感で分かりました」
「あの、良かったらまたご飯食べに行きませんか?美味しいもの食べたり、旅行して色んな場所の景色見たり、あの頃出来なかったこと何でも一緒にしたいです、玲香さんと」
「ぜひ…!」
こうして私たちは休みのたび、一緒に出掛けた。
仕事も忙しかったけど彼との約束が原動力にもなったし、楽しみだった。
美術館へ行ったり、映画を観たり、連休には少し足を伸ばして箱根まで温泉旅行へ行ったり。
一緒にお弁当を作って、公園でピクニックもしたしジムにも通った。
私たちはとてもアクティブだった。
プロポーズは登山をしたときだ。
山頂で疲れも飛ぶような絶景を見て、感動で涙を浮かべていると彼もまた感極まって「一緒に見れてよかった」と呟いた。
そして「結婚してください」と言われたのだった。
流石に指輪は用意していなかったけど、そうして半年後に入籍した。
前世を覚えている人はほぼ0%に近いだろうけど、約束を果たせたことが何よりとても嬉しかった。
fin.
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