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彼は近所に住む四歳年上の幼なじみで、子供の頃から物静かで落ち着いているところが大人びて見えた。
ずっと憧れていたけど、想いを伝えられないまま今日まできてしまった。
明日が彼の姿を見る最後かもしれない。
父は戦死、兄二人も既に出征していて、母と歳の離れた妹はそのとき留守にしていた。
戦況はずっと悪化していて、明日どうなるか誰にも分からない。
今がきっと、想いを伝えられる最後の機会なのに、“お慕いしています”と私はどうしても言えなかった。
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