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「日和さん、私は秘書の西野と言います。よろしくお願いいたします」
「同じく、俺はあなたの護衛になります、都築です。よろしくお願いいたします」
匡将さんによって連れてこられたタワーマンションで二人の男性を紹介された。秘書の西野さん、護衛になると言う都築さん。二人ともにこやかで圧を感じさせるような雰囲気ではないため、私は少し安心した。
「その子猫はこちらでお預かりいたします。この子に名前はありますか?」
「あ、っえと、メスなので、みあ、です…」
「わかりました、ではみあをこちらへ。大丈夫です、私たちでしっかりと面倒を見ますから」
みあを側から離そうとするとみあはニーニーと鳴いて嫌がり始めた。私と離されることを不安に思っているようだ。私もみあを離したくなくて、西野さんにみあを渡すのを躊躇ってしまう。
「日和、それを渡せ」
「組長、言い方がきつすぎです」
「みあに、明日も会えますか?」
「もちろんです、お約束いたします」
「わかりました…………………、みあ、明日会おうね。大丈夫だよ」
ニーニーと鳴くみあに約束する。腕に抱いていたみあを優しく撫でて機嫌を取ってから、渋々西野さんに渡す。みあは一瞬、寂しそうな声を上げたが、それ以上鳴くことはなかった。
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