第二章

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あちこちにキスをされ、時に甘噛みをされ、遊ばれて、完全にのぼせた私は、フラフラしているため服を着せられて、何から何まで介抱された。 「お水、どうぞ」 各自でお風呂に入っているようで、リビングには西野さんしかいなかった。西野さんが冷たいお水を入れてくれたので、ありがたく飲ませてもらい、少し休憩する。 「組長のこと、責めてあげないでくださいね。とても日和さんを心配していますから」 「……、はい」 真っ赤な顔の私に西野さんは察したらしく、苦笑していた。 「具合はどうですか?気持ち悪いとかはありませんか?」 「大丈夫です、ちょっとクラクラしてますけど…」 「少し横になっていましょう」 「ありがとうございます…」 あまりにもひどかったのか、ソファーに横になるよう言われて、素直に横になった。冬なのに保冷剤を額に当ててもらい、身体を少し冷やす。もこもこしたパジャマの襟の隙間から見えているであろうキスマークやら噛み痕やらが恥ずかしくて、タオルで隠す。 「組長には、一応気を付けるように、言っておきますね」 食べられかけているのをわかっているその言葉に、余計に恥ずかしくなった。 「日和、大丈夫?」 「はい、大丈夫です」 都築さんも戻ってきて、髪の毛をタオルで拭きながら水分補給をしていた。心配されながら、でも何があったのかは察しているらしく、まだ濡れている頭を優しく撫でられた。 匡将さんが最後に戻ってきて、私の髪の毛を丁寧に乾かし、手入れをしてくれた。みあは、猫用のベッドでお腹を見せて眠っていて、起きる気配がない。 まだ起きているという西野さんをリビングに残して、都築さんは自室へ、包帯とガーゼを交換した私も匡将さんに連れられて寝室へ一緒に向かい、眠った。今までは私の隣で普通に寝ていたはずの匡将さんに、抱きしめられながら眠ることになり、しばらくは心臓がうるさくてなかなか寝付けなかったのは言うまでもない。
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