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公園の水道を飲んで生活をし、夜になったらゴミを漁って食べられるものがないか探した。
「雑草も、食べていました。どうしてもお腹がすいて耐えられない日があって。でもゴミとして捨てられた食べ物も何もない、そんなときは公園の土をおいしいお料理だと想像しながら口に入れて、空腹を誤魔化しました」
そうやって底辺を這いずって、生きて。
住む場所も何もかもを失って、誰も彼もに責められて追い出されたあの日。やっと死ぬ覚悟ができた。
「自分の死に場所くらい、選びたかった。偶然持っていた所持金の限界額で行ける場所が、この街だったんです」
「おひい、さん」
小倉さんは、相槌を打つけれど、慰めの言葉は口にしない。
「やっと、楽になれると、そう思いました。もう、誰にも、何も言われないと。死んでから、その後処理をする人は、可哀そうだけど、それ以上に、らくになれることがうれしくて…」
「おひいさん、は…。おひいさんは、今も死にたいって思ってる…?」
「ここで、必要としていただける間は、死なないです」
「おひいさん!!俺は、嫌だよ。おひいさんに死んでほしくない!!」
「大丈夫です、いらないって言われるまでは死にません」
「っ…、そうじゃなくて!!」
小倉さんが、とても悲しそうな顔をしているのが不思議だ。所詮、赤の他人なのに。匡将さんたちが、私を要らないと言えば、生きる価値もない私が生きていても意味はないから死ぬだけなのに。
「何やってるの、二人とも」
「あ、おかえりなさい」
「都築さん~!!」
何かを小倉さんが言おうとした瞬間に都築さんが帰ってきてリビングに入ってきた。不思議そうにこちらに近寄ってきた都築さんに小倉さんは泣きながら飛びついた。
「日和、小倉はどうしたの?」
「ここに来るに至った経緯を話していたはずなんですけど…」
私には、どうして小倉さんが泣くのかが、理解できなかった。
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