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東宮匡将視点
「組長、言い方がきつすぎると嫌われる」
「都築に完全に同意します。あれでは怯えられる一方でしょう」
「うるさい、黙れ。俺が何をしようと日和は俺のものだ」
「どこの傲慢野郎だよ…」
みあ、と名付けられた子猫に威嚇をされながらも面倒を見つつ話をする。初めて見た時から、あの目が離れない。強い意志を感じさせる、誰にも屈しない目。あの目に狂わされたのだ、俺は。
「そもそも、食事に薬盛って意識を刈り取るとか…、トラウマでもできたら今後に大きく響きますよ」
「そんなに量は入れてない。一時間以内に目が覚める」
「え、待ってください。もう目覚めてるはず…ですよね…?」
「こんなところで油売る前に!!彼女の側にいてやれ!!」
都築たちのところで存外、過ごしていたらしく、すでに薬の効果は切れているころだった。日和の側にいてやれと追い出されて、たしかに戻ってやらねば、と思い部屋に戻って違和感を感じた。
「まさか、なぁ?」
まさか、逃げ出されるとは思いもよらなかった。寝室にやはり鎖で繋ぐべきだったか。まあ、今その話をしたところで意味はない。はやく連れ戻さなければならない。次は、どうするか、いや、その前に仕置きが先だな。
「日和、お前は愚かだ」
その選択が、愚かな間違いであったと俺の手で証明して見せよう。
視点終了
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