0人が本棚に入れています
本棚に追加
「んっ!」
ヨウちゃん?
なんで、キスしたの?
「抑えていたのに。まだ逢える、まだ逢えるって思っていても、いつか逢えなくなるのは、嫌だ。だったら、攫ってやりたい。それぐらい、ナツが欲しい」
「ヨウちゃん、私を連れて行って…。もう疲れちゃった…学校も、勉強も、家族も、友達も…。ヨウちゃん、ヨウちゃんの側にいたい」
ぎゅっと、力強く抱き締める。
頭を撫でながら言う。
「帰りたくても、もう帰ることはできねえぞ。いいのか?」
「うん」
夏帆は、妖狐と生活することを選んだ。
夏祭りの夜。姿を消した。
そして、周りの人間たちは、夏帆に関する記憶が無くなっていた。
最初のコメントを投稿しよう!