夏祭りの逢瀬

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「んっ!」 ヨウちゃん? なんで、キスしたの? 「抑えていたのに。まだ逢える、まだ逢えるって思っていても、いつか逢えなくなるのは、嫌だ。だったら、攫ってやりたい。それぐらい、ナツが欲しい」 「ヨウちゃん、私を連れて行って…。もう疲れちゃった…学校も、勉強も、家族も、友達も…。ヨウちゃん、ヨウちゃんの側にいたい」 ぎゅっと、力強く抱き締める。 頭を撫でながら言う。 「帰りたくても、もう帰ることはできねえぞ。いいのか?」 「うん」 夏帆は、妖狐と生活することを選んだ。 夏祭りの夜。姿を消した。 そして、周りの人間たちは、夏帆に関する記憶が無くなっていた。
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