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「迷えばええじゃないか」
「え?」
意外な回答。
「疾風は、まだ若い。大学生なんやから、卒業までに見つければいい。わしの頃は、決められていたからな。躓いてもいい、転んでも立ち上がって歩けばいい。ちゃんと、生きろよ」
「ひいばあちゃん…」
「死ぬことを選ぶな。ちゃんと生きてくれ。わしが願うのは、それだけじゃ。食べて、寝て、勉強もして、将来やりたいことも見つければいい。いつも、来てくれてありがとう。今年も、暑いからな。倒れんようにな」
墓石に座っていた、曽祖母の姿はない。
ボロボロと涙がこぼれる。
ありがとう。ひいばあちゃん。
俺、頑張るよ。
お盆。この時期、会いたい人はいますか?
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