4分前

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4分前

「もう、残り4分を切った。椎名、お前だけでも逃げろ」 爆弾を見たままの坂本が言うが、 「そうは、いかない」 私は突っぱねる。 交通課勤務とはいえ、私も警察官だ。与えられた役目は最後までやり通す。 こんな状況になるまでのことを思い出す。 今日の勤務が終了し、私服に着替え終わった後、爆弾が仕掛けられたという一報が入った。 ちょうど他の捜査員は出払っていて、人手が足りないという状況だった。 上司からの命令で、特殊犯罪課に勤務している同期の坂本と一緒に、通報のあった飲食店に向かった。 場所は、商業施設が入った大型ビルの地下にある飲食店。こんな所で爆発したら、沢山の被害者が出る。 この店は、今日は貸し切り営業の準備中で客はいなかった。私と坂本の2人だけ残り、店主には避難してもらった。 爆弾を確認すると、親切にもドライバーセットとニッパーが一緒に置いてあった。 『止められるものなら、止めてみろ』という、犯人からの挑発のようだ。 本部に連絡し、爆弾の形状を報告。タイマーがカウントダウンしていて、残り10分と表示されていた。 爆弾処理班の到着を待っていては、この爆弾は爆発してしまう。 この場で対応出来そうなのは坂本しかおらず、本部からの指示を受け、爆弾を処理することになった。
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