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【 第七話: マジカの学習能力 】
しばらくすると、マジカは少し元気を取り戻して、まだ目に涙を溜めながら、安心したのか俺に微笑みかけた。
「マジカ、ごめんよ。ヒドイことをして……」
「うん。アイス買ってくれたら許してあげる」
「アイスね。分かった。そこにアイスクリーム屋台が出てるの見たね。さては?」
「うん。見ちゃった。うふふ……。だっておいしそうだったんだもん」
「あはは……、じゃあ、アイスでも食べようか?」
「うん」
そう言うと、いつもの明るくかわいいマジカに戻って、また無邪気にアイスクリームを頬張って笑った。
マジカのそのウソの無い笑顔は、まるで子供のようで、本当に喜怒哀楽のあるアンドロイドに成長していると俺は感じていた。
帰りの飛行機の中でも、この楽しかった沖縄旅行の出来事をいつまでも話ながら二人で見つめ合い笑った。
東京に到着する頃、彼女は俺の肩に頭を乗せて、俺の左手の指深くまで繋いで、小さな声でこう言った。
「約束だよ。いつまでも、マジカを離さないでね」
「うん」
この沖縄旅行は、二人にとって決して忘れられない思い出になったと思う。
マジカの学習能力は、今やとても「難ありアンドロイド」とは思えない程、高いものになっていた。
彼女は、人間と同じようにご飯を食べ、排泄をして、お買い物をしたり、デートをしたり、お風呂にも入り、横になって眠る。
一緒に笑ったり、泣いたり、怒ったり、愛し合ったり、傷ついたり、慰め合ったり、どんどん学んで人間の感情を身に付けて、人間へ近づいて進化している。
もうとても見た目や行動だけでは、彼女をアンドロイドだと気付く者はいないんじゃないかと思う。
それくらい、彼女は俺たち二人の時間の中で進化して行ったのだ……。
END
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