【 第四話: 宮古島の海! 】

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【 第四話: 宮古島の海! 】

 俺たちは気を取り直して、ホテルからすぐ近くの海に出掛けてみることにした。  ホテルの大きな庭から、緑のある小さな散歩道をしばらく歩いて行くと、真っ青でキラキラ輝く美しい海が見えてきた。 「うわぁ~、きれいな海が見えてきた~」 「すごいきれいな海だね。さすがに俺の田舎の海よりもきれいだなぁ」 「砂浜もすごい白くてきれい~」 「やっぱり、宮古島に決めて良かった~」 「そうね~、空も真っ青ですごく澄んでる」 「そうだね~、風も気持ちいいーっ!」  海に足をつけると、思っていたよりも温かかった。  マジカは初めて見る海に、子供のように靴を脱いで、波打ち際で、波と(たわむ)れていた。 「きゃ~、波がきた~!」 『ザバ~ン……』  俺はマジカに悪戯(いたずら)してやろうと、足で波を蹴る様に、マジカに海水をかけた。 「エイ!」 「きゃー! こら~、ヒロシったら~、やったなぁ~。マジカも仕返し。エイ!」  するとマジカは、海水だけでなく、下の砂まで大きなスコップで掘るように、海水と砂を大きく舞い上げ、俺の頭の上に泥のように降りかけた……。 『ザバァーーーン!!』 「うわぁーー!! ……」  俺はまるで「泥人形」のような姿になってしまった……。 「ごめ~ん、ヒロシ。やりすぎちゃったぁ~」 「い、いいよ……。もうこうなったら、このまま海にダイブしてやる!」 『ザブーーン!!』 「プハァー! これできれいに砂が取れただろ~?」 「うふふふっ、ヒロシ、ごめんね」 「あはははは……」  そう、マジカはまだ色々な力加減が分からない、アンドロイドなのだ。  パワーは、人間の数十倍もあるので、こんなことは彼女にとって、普通の行動に過ぎないのだ。  だが、少しずつこういう力加減を憶えていかないといけない。  俺はこうやって彼女と暮らして行くんだ。  しかし、沖縄の海はやはり、美しい。  こんな海は、東京では絶対に見ることが出来ない。  俺は、マジカとこうして一緒に旅行が出来ることに、幸せを感じずにはいられなかった。
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