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「おわっ!?」
急にTシャツの中が光り、品出し中の烈は運んでいた酒瓶ケースを取り落しそうになった。
胸元の光へ視線をやると目を見開いた表情で固まり、ケースを足元に置いて、首に下がっていたペンダントを引っ張り出す。蒼矢と同じく『セイバー』である烈は、『ロードナイト』を冠するペンダントを携帯していた。
ペンダントもとい『起動装置』は、敵である[侵略者]・[異形]の邪念に反応して装置にはまった鉱石が発光し、それをエネルギーに変身・『転異空間』への転送準備が整い、握ることでそれらが起動するようになっている。また別に、自分以外のセイバーがとある地点で変身すると、自分のパーソナルカラーではなく変身したセイバーのパーソナルカラーで光る効果も備えている。複数のセイバーが同時に変身した場合は、それぞれのセイバーのカラーが明滅する仕組みだ。
つまり烈で言えば、ロードナイトのパーソナルカラーである赤色で光るのが通常の変身モーションである。
しかし今は、青い光が明滅もなく単色で放たれている。
「…蒼矢…!?」
驚愕の声を上げた直後に、尻ポケットから着信の知らせが入る。葉月からだった。
「葉月さん!」
『烈、もう気付いているね? 場所は大学かな?』
「…多分…っ、葉月さん俺、今日はっ…あいつのこと」
『落ち着いて。今は何も考えず、すぐ向かってくれ』
動揺し、自分の今日の行動を後悔し始める烈に向かって、葉月は冷静かつ優しいトーンで指示を送る。
『おそらく衝動的な起動だろう…[相手]によっては一分一秒を争う。勝負がつく前に、何としても間に合って欲しい』
「わかった…! 葉月さんは?」
『僕は陽を途中で拾いつつ合流する。走って向かうつもりらしいから。…""おーれーも、連れてけーー!!!""…」
葉月の声の傍らから、おそらく別の電話機からの陽のわめき声が漏れ聞こえてきた。
「…了解!!」
烈は母親に手早くことづけし、バイクに飛び乗る。
…15分…いや、10分で向かってやる!!
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