第9話_孤独な闘い

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★年齢制限表現有(R18) セイバーの戦闘スーツは、特殊能力や時に人間離れした筋力も併せ持つ[侵略者]と、形状の多くが人外でセイバー達より格段に大きい[異形]に対抗するため、『転異空間』内では人間として持つ筋力・瞬発力・跳躍力などを強化出来るほか、かかる負荷や衝撃を極限まで抑えることができるようになっている。が、実際の戦闘ではそれでもカバーしきれないほどのダメージを受けることが多々あり、結局のところは出来るだけ攻撃に当たらないように立ち回ることが大前提であった。 「っぐ…」 [異形の巨木]からの攻撃をまともに受け、地に叩きつけられた蒼矢(アズライト)は、ふらつきながらもすぐに立ち上がり、装具を構え直す。 …負けるわけにはいかない。少なくとも、もう少し時間稼ぎしなければ… と、突然胸の奥が熱くなるような感覚に襲われ、視界が歪む。 「…っ…!?」 ついで心臓の鼓動が大きくなり、次第に呼吸が荒くなる。戦闘スーツと中の裸体とが必要以上に密着し、全身にざわざわとまとわりつくような感覚を覚える。 急に襲ってくる身体の異変に、たまらず立膝をついて胸を押さえた。 …熱い…、…なんだ、この感覚は? …身体中が…疼く…っ… 「そろそろ効いてくる頃合いだな」 アズライトが動けなくなったのを確認し、[(カズラ)]は巨木を待機させ、ゆっくりと彼に近付いていく。 「お前の身体の中は、俺の体液に支配されている」 …[奴]の…体液…? 「さっき飲ませてやったろう。あれの効果が、今のお前だ」 「……!!」 瞬時に理解し、アズライトは震える手で口を押さえた。変身前あの空間で、口から流し込まれ拒絶しきれずに飲み下してしまった唾液が、内側から少しずつ犯し続けていたのだ。 [蔓]は、膝をついたまま動けないアズライトの目の前に立ち、襟足を掴んで無理やり立たせる。 「今のお前の身体は、もはや俺の意のままに出来上がっている」 そう言うと、自分の脚をアズライトの股に差し込み、局部を押し上げるようにずらした。 「! あうぅっ…!!」 電流が流れるような感覚に襲われ、アズライトの身体が弓なりに反る。[蔓]がスーツから手を放すと、その場に崩れ落ちた。 指示を受けた巨木がアズライトの四肢を絡めとり、[蔓]の眼前に磔にする。 「さて、続きといこうか」
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