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★年齢制限表現有(R18)
既に体液の影響は全身に深く及び、蒼矢の身体は小刻みに震えていた。紅らんだ表情は苦悶に歪み、呼吸を荒げながらも、湧き上がってくる疼きや快感を必死に抑え込んでいるようだった。
抵抗できなくなった獲物を前にして、[蔓]は満足気に息をつくと、手始めに首から覆う戦闘スーツに切れ目を入れ、露わになる首筋から肩のラインに唇を這わせる。腰を抱くように両手をまとわりつかせ、ぴたりと身体に張り付くスーツの感触と、そこから伝わる体温と肉感とを堪能するように撫で回した。
「…っあぁ…ああ、んっ…」
[蔓]の唇に肌が吸われ、厚みのある手が感部を滑る度に、アズライトは息をあげ、恍惚の表情を見せていく。
「生身も良いが、これも悪くないな。滑りが良い」
両手が太股に入り、付け根から小振りの尻へ撫で上げ、掴むように揉み込む。[蔓]の腹に押し付けられた局部がピクピクと反応するのが伝わってくる。
「や、あ…ああぁっ…!」
「そろそろ頂くとしよう」
[蔓]の手が、アズライトの局部を包み込む。全身を犯され、既に脈打っているその先端は、スーツの内側をわずかに濡らしていた。局部のスーツを縦に切り裂くと、勃起した陰茎が弾かれたように飛び出し、その鈴口からは白濁の精液が我慢できず漏れ出てきていた。[蔓]は陰茎を握り、根元から強めに数回しごく。
「あぁーっ!!」
再び身体が反り返り、アズライトは[蔓]の手の中で果てる。[蔓]はすかさずアズライトの陰茎を咥え込み、音を立てて精液を吸い上げ、飲み下していく。陰嚢にも刺激を与え、可能な限り吸い尽くす。
「…う…」
溜まった精子を一気に放出したアズライトはがくりと頭を垂らした。その全身は依然、体液に犯され震え続けていた。
搾取を終えた[蔓]は唇を舐めると満足気に立ち上がり、髪を掴んでアズライトの表情を伺う。汗に濡れた前髪の間から長い睫毛が被さった目が見えたが、既にその瞳に輝きは無く、虚ろげな視線を漂わせていた。
「少し手がかかったが、おおむね想定通りだったか」
[蔓]はアズライトを異界へ連れ去る算段を考え始める。
「さて…『セイバー』のまま運ぶか、人間に戻すか…どっちがいいんだろうな。変身はどうやって解くんだ?」
思案にふけ始めた時、『転異空間』に何かが入り込んだ気配を感じた。
「!」
振り返った途端目の前を黒いもやが覆い、まとわりつく。手で払っても視界は晴れない。その間周囲で巨木が切り刻まれる音と無数の断末魔が聞こえ、一瞬後やや視界が開けた時には、拘束を解かれたアズライトが何者かに支えられて横たわる姿がぼんやりと見えた。
「お前は…アズライトの仲間か?」
「気安く名前呼んでんじゃねぇ、下種」
問いには答えず、かざした掌からすじ状の黒い霧を放出し、[蔓]を覆い尽くす。
「失策だった。さっさと連れ帰っていれば良かったな。…今回は諦めよう」
「消えろ」
[蔓]を完全に覆った霧はボール状になり、手を拳の形に握ると急激に圧縮し、粒になって言葉通り消えて無くなった。
転異空間から、[蔓]の気配が消えた。
脅威が去ったことを確認し、『セイバーオニキス』はアズライトを抱きかかえ、転異空間を解除した。
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