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「望月先生!」京太郎が叫ぶ!
「ほうれん草がありません!」
「え? どういうこと?」望月先生が首を傾げる。
「そうだ、ホウレンソウがない!」醤子も同意する。
「ラーメンにほうれん草、なくてもいいんじゃないの」邪美が疑問を口にする。
「これ、家系ラーメンなの?」涼子部長も首を傾げる。
「だったら、玉子のあたしも、なると大王もいらなくなるわ。下手をすると京太郎のメンマも。そんな型なんて無視していいんじゃないの? 個人的に家系ラーメンの太麺嫌いだし」
「でも、ほうれん草は欲しい」京太郎が食い下がる。
全員が望月先生を見た。
「あたし? あたしがほうれん草? 白雪姫とかじゃダメなの?」
「なんですかぁ!」全員のツッコミを受けた。
「しょうがないなぁ」と言いながら望月先生はピュアラブ スティックを振った。
「望月先生のほうれん草、ちょっとブサイク」邪美が笑う。
「確かに、胡麻和えみたいになってる」醤子も口元を押さえる。
「そんなことはどうでもいいの! いいでしょ、京太郎」
首をひねる京太郎を望月胡麻和え先生は無視したけど、頬は少し赤くなっている。年甲斐もない白雪姫発言になのか、ほうれん草の胡麻和えに対してなのかよくわからなかった。
「さ、歌うわよ。踊るわよ!」
あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ
そのすべてを愛してた あなたとともに
胸に残り離れない 苦いレモンの匂い
雨が降り止むまでは帰れない
今でもあなたはわたしの光
米津玄師「 Lemon 」
玉子の衣装が妙に似合う涼子部長がラーメンの舞台で跳ね。メンマの衣装に納得いかなそうな顔の京太郎がそれでも踊る。
海苔の衣装で辺りに風を巻き起こす醤子が歌い。チャーシューの衣装を食べようとする邪美がクルクル回る。
白雪姫になり損ねたほうれん草の胡麻和え望月先生がピュアラブ スティックを狂ったように振り回しながら叫ぶ。
「渦となり、世界に届け愛の歌!」
─fin─
ご協力いただいた皆様ありがとうございました。感謝の言葉もございません。
小説投稿サイトではライバルであるはずの、書き手さん同士が集まってリレー小説。とても有意義な時間でした。小さいけれど一石を投じることができたかなと思います。
京月ちゃん、味噌さん、Jmieさん、NEURAL OVERLAPさん、井沢優さん、7-coさん、村崎けい子さん、桜井清志さん(順不同)……誰か抜けてませんでしょうか? 僕はうっかり男なので、不安不安(;´Д`) もしも抜けている方がいたら遠慮なく思い切り突っ込んでください。三メートルぐらい吹っ飛んで見せましょう。
いつかまた、リレー小説でお会いいたしましょう。そのときこそきっと、物語を愛するあなたの出番です。
See You Again.
あるいは、 I'll be back!
卯都木涼介
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