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鈴木弘
https://estar.jp/novels/25695236/viewer?page=3
美紀は突然、着ていたブラウスを引きちぎって、もろ肌をあらわにした。
「おうおうおう!お父さん、さっきから聞いてりゃいい気になりやがって、この背中の桜吹雪が、しかとお見通しでえ」
「あ。お前」
「堪忍しやがれ。生まれは?」
「葛飾柴又」
「続きは?」
「帝釈天で産湯を使い」
「姓は?」
「鈴木」
「名は?」
「弘」
「人呼んで」
「寅さんのそっくりさんでテレビに出たこともある鈴木弘」
「お父さん!」
「美紀!」
二人は抱き合うかに見えたのもつかの間、美紀の右ストレートが、鈴木弘の顔面にクリーンヒットした。
鈴木弘は、もんどりうって倒れ、顔中、蒙古タンメンのスープにまみれ真っ赤っかだ。
「ここであったが百年目。よくも私を、ソープに沈めたわね」
https://estar.jp/novels/25695236/viewer?page=4
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