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チャルメラ
https://estar.jp/novels/25695241/viewer?page=1
「あれ。ほら。あれ。弘大」
「あれって何?美紀」
「ほら。聞こえてんじゃん、遠くに。今」
「あ?チャルメラ?」
「そーそー。落し物ってかね。ちゃらりーらら、って外で鳴るでしょ。近づいてきた。それ今だって、コート来て外に出る。でも。もう、いない。ドップラー効果のチャルメラの悲しみの。もう早えんだ。すげえ早い」
「わはは」
「あきらめて、部屋に戻ると、ちゃらりらら」
「ちゃらりらららー。いそげ、か」
「そう。再び、いけえ。今だあ!って」
「おお」
「でも外に出ると、もういない」
「売る気あるのか、ラーメン屋」
「そうなんだよ」
「美紀。お前、可哀そう」
「そう。私可哀そう」
「そんで今はなんで薄着?」
「もうね。急いでて、コート来てる暇なかった」
「あはは」
「ラーメン食いてええ。絶対食う。付き合って」
https://estar.jp/novels/25695236/viewer?page=2
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