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「ごちそうさま」
タイミング悪く夕飯も唐揚げだった。2食連続の鶏肉を食べ終え、俯きながら階段を上がり、自分の部屋へ。
「ふう」
倒れ込むようにベッドに突っ伏す。
脳内を巡るのは、帰り道からずっと考えていた、あの子のこと。
中学のときから「男子しかありえない」というタイプではなかったから、彼女を好きになった自分自身に驚くことはなかった。
襲ってくるのは、中学から変わらない、恐怖。
バカにされたらどうしよう、そして、拒絶されたらどうしよう。
『女子 同性 好き』
スマホを叩き、何十回と見た検索結果からサイトを覗く。『変なことではありません』『まずはそんな自分を受け入れること』という通り一遍の解説と、質問箱への励ましの回答。
言うべきか黙っていた方がいいのか、毎日毎日悩んで、辛くて、心が沈んでいる学生への処方箋なんて一つも載ってない、表層の馴れ合い。
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