分岐点

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 ヤバい、ヤバい、遅刻だ! よりによって、取引先との重大な会議でプレゼンする日に限って!  俺は、駅までの道を息を切らせて走っていた。腕時計をちらりと見る。乗る予定の電車が来るまで、あと五分。これを逃したら、次の電車は十五分後。いつも通りの道を通って行ったら、到底間に合わない。ここは、ショートカットするしか……ない!  俺は右に曲がると、近隣のマンションの駐車場を突っ切ることにした。住民は既に出勤した後なのか、駐車場に車はまばらだし、人もいない。見つかったら不審者扱い待ったなしだ。これ幸いと俺は走り続け、ふと、頭上に影が差した気がした。  一瞬、ほんの一瞬だけ上を見ると――………、  人が、近所の高校のブレザーを着た黒縁眼鏡の少年が、上から落ちてきた。 *    *   *
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