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第十夜 裏鬼門
これは私が中学生の時に兄が体験した話です。
兄はこれを体験するまで、幽霊というものを信じていませんでした。
あまりに怖くてその日は眠れなかったそうです。
ちょうどお盆の時でした。
兄が寝ようとしていた時の事です。
突如電気の傘が、
「バンッ!バンッ!バンッ!」
と鳴り出しました。
一瞬何が起こったのかと驚いていました。
その後、し~んと静まり返り、
「トトトトトトトッ・・・・トトトトトトトッ・・・・。」
と天井の上を何かが走るような音がしたそうです。
そして・・・
「パツン・・・。」
と電気が突如消えました。
全く見えなくなり、何かがおかしいと感じた兄は怖くなり布団を被って寝ようとしました。
しかし周囲が気になり、被っていた布団を恐る恐るめくりあげ、暗闇になれた目で見えたものに背筋が凍る様な面をしました。
そこで見たものは、老若男女多数の幽霊が一列に並び、部屋の角にある鏡に向かって並んでいました。
初めて幽霊を見た兄は怖くなり、すぐに部屋を飛び出し母を呼びました。
霊感の強い母は、兄の部屋を見るなり、
「あそこに鏡を置くからだ!すぐにどかした方がいい!」
と言ったそうです。
裏鬼門に鏡を置いた事で幽霊が裏鬼門から抜けられなくなり、兄の部屋に溜まり続けていたようです。
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