第十二夜 貸家の恐怖

1/1
前へ
/30ページ
次へ

第十二夜 貸家の恐怖

これは筆者が25歳の時に、実家の家を建て替えることになり、約3ヶ月程一軒家を借りて暮らす事になりました。 その家は古く、二階は和室6畳2部屋、一階のリビングと和室6畳2部屋でした。 そんな古い家も1ヶ月程で住み慣れてきました。 1ヶ月を過ぎたある日から、この家では不思議な現象が起きる事が家族の中で話題となりました。 それは・・・ 勝手に電気が付くと言う事です。 ある日の夜、電気を確かに消して寝たはずが翌日の朝に突然親父に、 「お前ちゃんと寝る時に電気消して寝ろ。」 と言われ、 「ちゃんと消して寝たけど?」 と答えると、 「夜中にお前の部屋から灯りが漏れてたから俺が消したんだ!」 頭の中が???となり、これ以上話しても終わらないと思いそこで話は終わりました。 しかし、ある日仕事から帰ってくると家には誰もおらず、玄関を開けると二階から灯りが漏れていました。 恐る恐る二階に上がると、そこは両親が寝ている部屋でした。 私は親父に言われた事もあり、しめしめと思い家族が帰って来るのを待ちました。 そして家族全員が集まり私は、 「今日帰って来たら、親父達の部屋が電気付けっ放しだったぞ!ちゃんと消せー。」 と笑いながら言うと親父は、 「電気なんか昨日寝てから誰も付けてないけど?」 と言いそして母も、 「私も二階にカバン取りに行ったけど、電気なんか付いてなかったよ?」 他に兄と義理の姉がいたので、 「どっちか二階に行った?」 と聞くと、 「俺らは二階に上がる用事ないから。」 と言われ会話が終了しました。 これを期に電気が付く事がエスカレートして行きました。 驚いたのは二階で寝ようと電気を消した時に、約10分後に目の前で電気がついた事です。 それ以外にも今度は仕事から帰ってくると、下の部屋の電気がついていたりする事もありました。 時にはこの家の何かが故障していて電気が勝手につくのかな? など素人目線でいろいろと考えていました。 しかしある日、この家に家族以外の誰かがいる事に最初に気づいたのは母でした。 ある日会社から帰り、いつも通り夕飯を食べている時に突然、 「朝ご飯を作っている時になんか誰かに見られてる気がすると思って後ろを振り返ったらさ、そこの扉の後ろに男の人が上を向いた状態で 立ってたのよ。元々お化けを見るのは初めてじゃないからちょっと驚いただけだけど、ちょっと不気味だったの。」 俺はその話にすごく興味を持ち、 「どんな顔だった?どういう格好してた?」 など色々と質問をしました。 母は色々と教えてくれましたが、段々と話しを聞いている内に怖くなってきたので、話は途中でやめました。 そのなある日、私は夜勤の仕事をやっていたので昼頃から二階の布団に入って寝ていました。 その時ふと目が覚めると、電気がついていました。 「あれ?昼に寝たから電気なんかつけてないのに・・・。」 と、この前の母の話を思い出し少し怖くなりましたが、 「気にしない。電気を消して寝よう・・・。」 電気を消して眠りつき、暫く時間がたった時の事でした。 また、ふと目が覚めると下の階から突然、 「あはははは。あっはははは。」 笑い声が聞こえました。 しかもそれは一人ではなく、何人か、それも子供の声もしました。 私は保育園の子が二人いる義姉が帰ってきたんだと思い、起き上がり下の階に向かって、 「おーーい、〇〇、帰ってきたのー?」 と呼んだ瞬間、 「あはは・・・・・・・・。」 笑い声がピタリと止まりました。 下の階に誰もいない事がわかり、 「ヤバイ・・・これ・・・ヤバイやつだ。」 安心して寝れなくなり外に飛び出した時、義姉と子供達が帰ってきました。 「どうしたの?そんなに慌てて。」 「いや・・・なんでもないんだけどさ。」 俺はこの事は今言わず、夜に母が帰ってきた時に話そう。 そう決めました。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加