第十七夜 自分からのメール

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第十七夜 自分からのメール

これは私が中学生の時、友達が体験したお話です。 まだガラケーの時代、自分からメールの返信が返ってくるや自分から電話がかかってくる等の遊びが流行していた時の事でした。 友達が他の友達の家でお泊り会をした時でした。 友達A「ねーねー!自分からメールが返ってくるやつ知っている?」 友達B「知っているよー。なんか面白い返事が返ってくるんでしょ?」 友達C「それどうやるの?」 友達A「えーと・・・確か・・・」 そう言って全員が携帯を取り出し、自分からのメールをやり始めました。 友達B「おっ!返ってきた。」 友達C「マジ?見せて。」 そこには・・・ 「こんにちは。私は10年後の〇〇〇です。お元気ですか・・・。」から始まり、長い文章が綴られていました。 特にこれといった面白い話はなかったそうです。 (なるほど、こんな感じか・・・。) と思っていた所に、 友達C「俺のも届いた!えーと・・・。」 そこにはこう書かれていました。 「こんにちは。私は20年後の〇〇です。今の私は空の上・・・」 ここまでを読んで友達Cは、 「宇宙飛行士か!?パイロットか!?」 とドキドキしながら続きを読みました。 「広々とした世界を見回しています。けれど寂しい。みんなに会えない。触れる事も出来ない。 今の私はそんな事を思いもしないだろう。本当に一瞬の出来事だった。いつか今の私にその時がくる。 辛いだろうがこれは運命だ。精一杯今を楽しんでくれ!」 と書かれていました。 全員は一瞬黙り込み、苦笑いをしながら、 友達A「いや・・・これ遊びだからさ。気にするなよ!」 友達B「そうだよ。こんなのウソなんだから元気だせって。」 ここでこの遊びは終了し、今ではそんな遊びがある事すら知られなくなったが、20年後の私になるまで後数年・・・。 今友達Cはこの事を覚えているのだろうか。 終わり。
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