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第十八夜 ドッペルゲンガー
これは私が小学校の時に、友達が体験したお話です。
それは、冬休みの時でした。友達の名前を仮に「ひとし」とします。
ひとしの親は共働きで兄弟もいないため、休みの日は家に一人でいることが多かったそうです。
ある日、ひとしが一人でゲームをしている時でした。
「ピンポーン」
インターホンが鳴り、ひとしは玄関へと向かいました。
玄関の扉はすりガラスのようになっていて、外に人が立っていると影が見えるのですが、その時の記憶を遡ると影がなかったような気がするとの事でした。
「誰ですかー?」
「◯◯◯と言います。開けて頂きたいのですが・・・。」
今思えば違和感があるのですが、子供だったひとしは扉を開けました。
「君一人かな?お父さんかお母さんは?」
「お仕事で今は誰もいないです。」
「そうですか。大事な話だったんですが、また来ますのでこれを渡してください。」
と言い、名刺を受け取りました。
「それでは失礼します。」
その男の人は帰って行きました。
その約10分後位だったそうです。
「ピンポーン」
インターホンが鳴り、ひとしは玄関まで行きました。
「◯◯◯薬品の◯◯◯と申します。先日お申込みがございましたので伺ったのですが。」
ひとしは玄関の扉を開けました。
そしてひとしは驚きました。
そこには、確かに先程来た人と全く同じ格好の同じ人が立っていたそうです。
しかし、先程とは話し方や話す態度が少し違う様な感じもしたそうです。
「君一人かな?お父さんかお母さんはお留守かな?」
そう聞かれるとひとしは、
「お兄さん、さっきも同じ事聞いたよ?お父さんとお母さんはお仕事に行ってますって僕言ったよ?」
お兄さんはキョトンとした様子で、
「お兄さん、今初めてこのお家にきたよ?ボク(ひとし)と会うのも初めてなんだけどな?」
そう言われて、ひとしはさっきもらった名刺を見せました。
するとお兄さんも驚いた様で、戸惑いながらまた来ますと一言言い帰って行きました。
その後に聞いた話ですが、その男の人は次にひとしの親に会った時に以前来た時にこの様な事があったと話をしたそうです。
その男の人は会社の人にもこんな事があったと話をした所、詐欺や何らかの犯罪に使われているのではないか?と噂が広まったそうですが、未だに真相は分からないままです。
私は久しくひとしと会った時にこの話を聞いた時、ひとしはあれは間違いなくドッペルゲンガーだったとそう話していました。
終わり。
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