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第十九夜 お前の隣
私の家族はホラーが大好きな家族だったので、夏のホラー番組や特集は必ず見ていました。
ある日怖いテレビを見終わった後に、家族で雑談をしていた時の話でした。
「幽霊って本当にいるのかな?」
と私が聞くと霊感の強い母は、
「いるよちゃんと。だからへんな所に悪ふざけで遊びに行ったりしちゃダメなんだよ。」
確かに子供だけで遊んでいると、
「なんだかあそこが怖いな!」
とか、
「あそこ誰も住んでいないのかな?」
なんて言いながら、勝手に古い家の中に入ったりしていました。
もちろんそんな事は親に話した事はありませんでした。
ですので僕は、
「行かないよそんな所。この近くにそんな所ないよ。」
というと母は、
「嘘をつけ!お前昨日何かしてきただろ?おかしなもの連れて帰ってきて。」
と幽霊に慣れすぎている母は笑いながら僕にそう言いました。
後になって母に聞きましたが、私の隣には15歳くらいの女の子がいたそうです。
顎が外れた様に口が開き、白目の顔で私を横からずっと見ていたと聞き、あまりの恐怖にそれ以来、遊びでその様な所には行かない事をその時に誓いました。
終わり。
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