第十九夜 お前の隣

1/1
前へ
/30ページ
次へ

第十九夜 お前の隣

私の家族はホラーが大好きな家族だったので、夏のホラー番組や特集は必ず見ていました。 ある日怖いテレビを見終わった後に、家族で雑談をしていた時の話でした。 「幽霊って本当にいるのかな?」 と私が聞くと霊感の強い母は、 「いるよちゃんと。だからへんな所に悪ふざけで遊びに行ったりしちゃダメなんだよ。」 確かに子供だけで遊んでいると、 「なんだかあそこが怖いな!」 とか、 「あそこ誰も住んでいないのかな?」 なんて言いながら、勝手に古い家の中に入ったりしていました。 もちろんそんな事は親に話した事はありませんでした。 ですので僕は、 「行かないよそんな所。この近くにそんな所ないよ。」 というと母は、 「嘘をつけ!お前昨日何かしてきただろ?おかしなもの連れて帰ってきて。」 と幽霊に慣れすぎている母は笑いながら僕にそう言いました。 後になって母に聞きましたが、私の隣には15歳くらいの女の子がいたそうです。 顎が外れた様に口が開き、白目の顔で私を横からずっと見ていたと聞き、あまりの恐怖にそれ以来、遊びでその様な所には行かない事をその時に誓いました。 終わり。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加