22人が本棚に入れています
本棚に追加
第二夜 帰らない足音
第二夜 帰らない足音をご紹介します。
小学5年生の時の体験です。
蒸し暑い夏の夜でした。夏休みでしたので少し夜更かしをしてしまい、寝床に着くのが1時ごろでした。
当時は自分の部屋にエアコンがなく、窓を全開にして毎日寝ていました。
その日はホラー番組も見ていたので、少し怖いなぁーと思いながら、布団で目を覆い隠す様にして寝ていました。
窓の外はカエルの鳴き声が凄かったのを今でも覚えています。
すると、どこからともなく遠い所から、
「コツ コツ コツ コツ・・・・」
と、ハイヒールで歩く様な音が聞こえてきました。
(こんな遅い時間なのに誰だろう?)
住んでいる所は田舎でしたので近くにお店がある訳でもなく、歩いてコンビニ等に行くにも往復1時間程かかる様な所でした。
変だなぁーと思っているとその足音は次第に近付いて来て、
「コツ コツ コツッ 。」
と自分の家の前で立ち止まり、
「コツ コツ コツ コツ コツ」
と敷地の中まで入ってきたように聞こえました。
そして、
「コツ コツ コツ コツ!」
と玄関の辺りで立ち止まると・・・・・。
「・・・・・・・。」
何事もなかったかの様に静まり返り、またカエルの鳴き声だけが聞こえてきました。
ただその後は足音が聞こえる訳でもなくいつのまにか眠ってしまいました。
翌日の夜にも同じ事が起き、怖くなったので親にこの話をしました。
すると母は、
「わかる。最近よく来るよね。」
第二夜 終わり。
最初のコメントを投稿しよう!