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第二十夜 心霊写真
これは私が中学生の時に、姉の友達が体験したお話です。
ある夏の日に姉の友達は浜辺でバーバキューをしていたそうです。
とても盛り上がり、いつのまにか暗くなってしまいました。
暗くなってきたので花火をやろうと言い出し、みんなで花火を買いに行きまた浜辺へ戻ってきました。
花火に夢中になり、気付けば最後の花火が終わってしまいました。
「最後にみんなで記念写真を撮ろう!」
みんなで集合写真を撮ることになりました。
楽しい写真も撮り終わり姉の友達は、海に反射する月が綺麗でその景色を写真におさめました。
そのシャッターを切った瞬間、姉の友達は驚きすぐに仲間の元へ走ったそうです。
その撮影した写真を仲間に見せ、そこにいる全員が凍りついた様に静まり返りました。
姉の友達は、姉の母つまり私の母が霊感がある事を姉から聞いた事があり、すぐに姉に相談の電話をかけてきたそうです。
「海で変なものを撮影してしまったの。ごめん、今から送るからすぐに見て欲しいの。」
姉はわかったと言い、母にその事を伝え写真が届くのを待ちました。
ピロン。
写真が届き、その写真を見て姉も思わず、
「嫌だ!怖い!」
と驚きながらその写真を母に見せました。
それを見た母は、
「すぐにそこから離れる様に言いなさい。この写真この写真は動いてる。魂が写真に宿っている。」
姉は訳がわからなかったが、その後電話で友達とこんな会話をしました。
「ねー!この写真すごくはっきり写ってるじゃん!女の人!口が避けるほど大きく開けてすごく不気味なんだけど!」
「・・・え?・・・口・・開いてないよ?」
「え?いやいや、こんなはっきり開いてるじゃん!?」
「ううん。違う、こっちの写真は女の人がこっちに振り向きそうな感じで斜めに向いてるんだよ?」
「うそ!?私がもらったのもう一回送るから見てごらんよ!」
ピロン。
その写真を見て友達は更に恐怖に襲われました。
送る前と送った後で、その写真に写っている女性の顔が全く変わっていたそうです。
母は姉と友達にすぐにその写真をお寺に持っていき供養してもらうよう伝えたそうです。
因みにまだ幼かった私もその写真を見せてもらった事があります。
その写真は、夜の海が月夜に照らされてボンヤリと青く光る中、画面左側半分に女性の顔がこちらを向き、口を大きく開けていました。
つまり、あの左側画面いっぱいに写っていたという事は、撮影した友達のすぐ目の前に立っていたという事になります。
残念ながらその写真はもうありません。
終わり。
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