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第八夜 電話
あれは筆者が中学一年生の冬の時でした。
両親は共働きで、兄と姉も学校や部活で帰りが遅い時がよくありました。
なのでよく一人で家族の帰りを待つ事が多かったです。
夜七時くらいでした。
外は大雪で、時々強い風が窓を叩けつける事もありました。
そんな中テレビを見ていた時でした。
電話が鳴り受話器を取りました。
「もしもし・・・・?」
「・・・・・・・」
何も答えず受話器の向こうでは微かにガサゴソと音がし、
「プツッ。ツーツー。」
突然電話は切れ何だったんだろうと思いまたテレビを見ていました。
すると、
「プルルルルル、プルルルルル」
まさかとは思いつつ、また受話器を取り、
「もしもし・・・・?」
「・・・・・・」
「もしもーし!」
さっきよりも少し強い口調で言うと、
低く、少しかすれた感じの男性の声で、
「ねぇ・・・・ちょっと・・・ねぇ・・・ちょっと・・・」
私は少し怖くなり、
「イタズラだったらやめて下さい!」
「ねぇ・・・・ちょっと・・・・ねぇ・・・ちょっと・・・・」
「切りますよ!」
と叫んだ声が遅れて電話の向こうから自分の声が返ってきました。
慌てて電話を切り、怖くなった私はすぐに親に電話をしようとした時、
玄関がガチャと開いて父が帰ってきました。
それ以来、その電話はかかってきませんでした。
霊界から電話がかかってくるという怖い話はよく聞いた事がありま
したが、自分自身で実感した瞬間でした。
第八夜 終わり。
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