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「それから、次第に彼女を探すようになった。彼女は明るくて人気者で、いつも人に囲まれてた。クラスでも部活でも、何でも。」
そこで、思い出したように都貴さんが笑った。
「ドジなとこもたくさん見たよ。」
「なっ…!」
「今日も見てた。雨の中、駐輪場の柱をくんくんしてる、おもしろい彼女を。」
恥ずかしい。
たくさん、変なとこ見られてるよぉ…。
「だから、話し掛けてみようと思ったの。…ちょっと強引に。」
確かに強引でしたよ。
またさっきのキスを思い出す。
都貴さんが擦り寄ってきた。
体がじんわりと温かくなる。
「私で良ければ…」
「会いに来ます。」
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