エンドレス サマー

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同じように空を見上げた。 真上には緑葉を広げた桜の隙間からちらちらと木漏れ日が降り、淡く太陽の在処を隠す。 一瞬、強い光が差し込んだ。 よく見ると、併設された観覧車のゴンドラが反射した光だった。 カラフルなゴンドラに乗り込んだ家族やカップル達が、笑顔で下を覗き込んでいるのが見えた。 平和な休日が、そこにはあった。 「行こう、恭子」 そう言って、紗有美はゆっくり水族館の方へ歩き出した。 海で遊んだ時より伸びた髪が、麦藁帽子の下で揺れている。 少し痩せただろうか。 ほっそりした手首に巻かれた腕時計が、緩くなっている。 私は、先週の事を思い出した。 それは、倫世からの電話だった。
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