エンドレス サマー

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お風呂上がりに、ミネラルウォーターを飲みながら髪を拭いていると、不意に短い電子音が鳴った。 携帯を開けると、倫世の名前が表示されていた。 メールのアイコンを押す。 『遅くにごめん、少し話したいんだけど…。』 絵文字のない、素っ気ない文面だった。 だからこそ、倫世の心の動きが読み取れた。 ミネラルウォーターのグラスを置き、すぐに返信した。 『今、お風呂上がったところ。大丈夫だよ。』 携帯は閉じずに、テーブルに戻す。 私は、シングルベッドに備え付けられたヘッドチェストからヘアークリップを摘まみ上げ、くるくると髪を留めた。 滴が、首筋に零れた。 窓から夜風が入り込み、レースカーテンを揺らす。 翻ったカーテンの向こうには、過ぎて行こうとする夏の夜闇が見えた。
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