リボンの別れ

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懐かしいなぁ、あの日。 プリンの匂いにひかれて、嗅いでみた甘い木の匂い。 そしたら都貴さんが来て…キスして… 私は意識を飛ばした。 あの日へ…。 「景?」 都貴さんが扉から顔を覗かせた。 「はぁい!」 勢い良く私は扉を振り返った。 「!」 都貴さんの腕にはたくさんの花束があった。 その隙間から覗かせる顔の頬には赤みが差し、いつもの数倍綺麗だった。 「たくさんもらったんですねー。」 「うん、殆ど知らない人。男の子とか」 腕に抱えた花束をばさりとテーブルに置いた。 その瞬間、私の目はある一点に留まった。 「都貴さん…リボンは?」
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